イヴ・シモンの1973年の「カルチェ・ラタンの孤独」(邦題)の中の名曲の一つ。このアルバムの中には「ゴロワーズ・ブルーの幻想」という名曲も収録されている。どちらを選ぼうかと迷いました。今現在の気分に従いこの「不思議の国のジュリエット」を。現在ではもう作家としての活動に重点を置かれ、最近での音楽作品というと「愛の後に」という映画音楽(シナリオも担当)が私の体験では新しいもの。70年代から80年代に数多くのアルバムをリリースしながら小説も多数。各国で翻訳され出版されている。絶版作も多くまだ少ししか読めていませんが「感情漂流」や「魂のなかの愛」(共に翻訳は永瀧達治氏)もお薦めしたい。イヴ・シモンの魅力はロマンティック!声も歌詞も楽曲も全てがロマンティックなのです。ボヘミアン的な経歴ながらもいつも都会で生きる人間の愛と苦悩を描き続けている様にも思える。この曲の中に出てくるキーワードに大きく反応してしまう私。1973年の古い歌が2003年の今なお色褪せないのです。魂のある歌とはそういうものですね。
イヴ・シモン/不思議の国のジュリエット
ジュリエット、あなたは背中に4枚の赤い翼を付けて
水辺を歩いていた
あなたは少し狂ったレコードテープで、
ルイス・キャロルのアリスを歌っていた
ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
ジュリエットの不思議な国に
68年の古い映画で、あなたは
フレンチポテトを食べる中国女だった
フェルディナンド・ゴダールは、喫茶店の鏡の反対側から
あなたを解き放っていた
ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
ジュリエットの不思議な国に
ハリウッドに乗り込むには、あなたは肘を張って行かなきゃ
ならないことをよく知っている
スーパースターやマレーネの娘達が
ジュリエット、あなたをアメリカの夜に閉じ込めてしまう
ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
ジュリエットの不思議な国に
※冊子『BRIGITTE 03号』より
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