ニコの1970年のサード・アルバム「DESERTSHORE」の中の曲。そして、この曲はニコが亡くなった1988年の埋葬時に流された曲だとも。私が好きなニコの曲は他にも沢山あります。でも、この曲には特別深い感情を持ってしまいます。ナチに射殺されたお父さん、精神病院で癌の為に亡くなったお母さん。激動の時代を生きた美しきクリスタ・パフゲン。いつも死と隣り合わせに居たニコ。文学を愛したニコ。ドラッグに溺れた堕天使の様なニコ...。もう、こんなアーティストは現れないでしょう。この曲は実際にニコが亡くなる18年前に作られた曲です。複雑な思いを抱いてしまいます。いつも思うのは、この声はどこか祈りの様でもあり、また嘆きの様にも聞こえるのです。何と優しく哀しい響きでしょう!そして、ハーモニウムの音色との調和の美しさ。ニコはもう居ないのだなぁ...とふと、考えてしまうのですが、死んでしまったとも思えない不思議な存在です。この様な思いはセルジュにも持っています。何なのでしょう?この感覚って。きっと、私の心のどこかに住みついてしまった永遠の住人なのでしょうか...。
Liebes leines Mutterlein
Nun darf ich endlich bei Dir sein
Die Sehnsucht und die Einsamkeit
Erlosen sich in Seeligkeit.
愛しの母様
ようやく一緒になれます
憧れと寂しさを
内なる平和が取り戻します。
※冊子『BRIGITTE 02号』より
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