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2010年7月13日火曜日

『夢の宝石箱 VOL.3』 「もえと妖精たち」 著:永田萌 1981年


しあわせが 
蜜のように あまいとは 
かぎりません

ふしあわせが
毒のように にがいとは
かぎりません

しあわせのなかにも
舌にのこる にがさは
ありますし・・・

ふしあわせのなかにも
かすかな あまさは
あるのです

 絵本作家である永田萌さんの1981年に刊行された画集(ことばと絵から成る)『もえと妖精たち』という大好きな作品があります。上記の詩はその中の一篇です。

 幼少の頃、思春期の頃...だんだん年齢だけ大人になってゆく中で、幾度も葛藤がありました。今もはみ出したままの気がしますが、人生は尊いと思えます。世の中は汚いばかりでもないとも。意地悪で心の荒んだ人々もいることも知ってしまったけれど、心優しく繊細で傷つきやすいけれど愛する世界を持っている人々、寛容で常にマイペースな当店主や大切な友人たち...充分に素晴らしいではないか!と思えるのです。相変わらず「少年少女」が大好き!無性で聖なる存在。そんな少年少女たちと同じ位に大好きなのが「妖精」。これも変わることは無いようです。妖精にもいろんな性質があるように、子供たちも様々。そして、大人になってゆく...。現実を生きている私は、時々、「此処ではないどこか」へ行ってしまうらしい。いつの間にか得た私の処世術なのかもしれない。

 夢は儚くぼんやりしています。でも、夢の世界の住人達は優しく私を迎えてくださる。居心地の良いそんな私の「夢の宝石箱」には大切なものたちで溢れています。あるお方からすれば「ただのガラクタ」のようなものも多いかも。私には愛しいものばかり。そして、幼き日の幻影や記憶、風景もそれらの愛するガラクタたちと一緒に居るのです。

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