ページ

2007年7月18日水曜日

『夢の美術館 VOL.4』 ケイト・グリーナウェイ:KATE GREENAWAY




 ケイト・グリーナウェイ(Kate Greenaway:1846~1901)というと、19世紀の英国挿絵画家を代表するお方のおひとりで、中でも最も今日まで忘れ去られることもなく、愛させ親しまれ続けているお方だと思う。『マザーグース』や『ハメルンの笛吹き』(ドノヴァンの音楽、名作アルバムを思い出す♪)や、『窓の下で』(とっても大好き!)の中で、女性や子供たちを美しい自然と共に、とても優しく繊細な眼差しとお心で描かれた女性画家だと思えてならない。面白いのは複数の女性や子供を描いた絵たちを眺めていると、それらのお顔は区別がほとんどない。そして、表情は笑うでもなく無表情な感じ。スト~ンとしたロングの衣服はゴテゴテせずに、とてもシンプルで時代に束縛されてはいない。ケイト・グリーナウェイ自ら、デザインし裁断してモデルの人たちに着せたものも多いという。なので、”ヴィクトリア朝”時代ながらも、遡ることも未来に飛び出すことも可能な自由さを感じる。それぞれの画風があり、それぞれの魅力がある。ケイト・グリーナウェイの絵はあまり複雑ではないので、やや毛嫌いされるお方もおられる。でも、俗物的な世界に生きる私たちの時代を超えた普遍なるもの、”優しさ”という感性。故に、ふとケイト・グリーナウェイの絵を眺めると安堵するのではないだろうか・・・と思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿