私が最も大好きな女性ヴォーカルを一人だけ選ぶとしたなら、やはりマリアンヌ・フェイスフル!当時のブリティッシュ・ポップ界はアメリカン・ポップ界のようにしっかりとシステム化というのかな、そういう機能的なものがまだ未完の状態で曖昧だったようだ。そんな当時のロンドンは所謂「スウィンギング・ロンドン」な時代で若者たちが活き活きと音楽業界でも活躍していた頃。マリアンヌ・フェイスフルはそうした時代の中、1964年7月に歌手としてデビューされた(17歳)。その曲は『アズ・ティアーズ・ゴー・バイ(涙あふれて)』。曲提供はローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズ(嘗てはキース・リチャードと記されていた)。今でもマリアンヌ・フェイスフルというとこの曲という位有名。しかし、自ら歌手になりたくてなった訳でもなく、可憐な容姿を見初められてのこと。ストーンズの二人が作った曲ということもあり一躍「英国ポップス界の華」となる。けれど、この曲も含めたアイドル時代のマリアンヌのアルバムでのベスト10入りは無い。このシングル『アズ・ティアーズ・ゴー・バイ(涙あふれて)』の最高位は全英9位、全米22位とデータにある。またアルバム・デビューは1965年(1st&2nd同時発売)でセカンド・アルバム『MARIANNE FAITHFULL』にこのデビュー曲は収録されている。英国デッカ(DECCA)時代の初期のおよそ1年半程が実質的なアイドル時代とも云える。そして、ストーンズとの交流、とりわけミック・ジャガーとのロマンス、破局...お嬢様アイドルのマリアンヌ様が次第とドラッグ騒ぎにも巻き込まれスキャンダルの女王と転落してゆく。そして、その地獄からの帰還に至るまでには10年もの時が必要であった。ああ!凄まじい人生である!壮絶である!強靭である!素敵である!崇高である!と讃えることしか出来ないお方。
多くのアイドルは長くは続かず何処かに消えて行かれる。たった1曲だけのヒット曲で消えてしまった方も多い。アイドルから幾十年もの間人気と実力を備え続けるお方はそう多くはいない(古今東西のそのような方々は皆凄いのだと想う)。ドラッグやアルコール(煙草もだろう)などですっかりアイドル時代の清楚なお声は潰れての復活であった。でも、そこから以降がアーティスト:マリアンヌ・フェイスフルの今日までの軌跡でもある。しかし、アイドル時代もどん底時代もまたマリアンヌ様の軌跡である。全体を時代と共に見てしまう。大好きなお方の場合はどうしても。歌唱力が素晴らしいというお方でもないけれど、今ではあのお声は「呪詛」とまで云われる程の存在感あるお声。そのお声にはそれまでの生きてこられたものが沁み込んでいるのだと想う。普通ならあの荒廃した時期に消えていただろう。此方では追々に、作品の感想などを綴ってゆきます。私が16歳の時。それ以来、今もずっと大好き!ある意味、ボウイに匹敵する位好きかもしれないとも(ボウイと同い年でもある)...生まれ持った気品や知性はお歳を召されても失うことは永遠にないだろう。経歴や映画のこと等を『クララの森・少女愛惜』にて少し綴っているので、あまり重複しないように続けます♪
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